永岡さんは2010年、子どもと貧困がテーマのシンポジウムに参加した際、児童養護施設の子どもたちの実情を知り、児童養護施設でのボランティア活動を始めます。多くの子どもたちが18歳で就職しなければならない現実から、社会人のイメージも十分でないままに住み込みや高収入などの条件を優先して就職し、その結果、短期間で離職してフリーターになるなど、ワーキングプアに陥ってしまっていました。
それまで人材業界で採用や就職支援に携わってきた永岡さんは、若者の就労支援に自身の人生を投じることを決意。2011年に起業、2013年にはNPOも設立し、就職の斡旋やキャリア教育、仲間づくりの機会提供に取り組んでいます。
永岡さんは、若者の就労を取り巻く仕組みの問題など社会的課題を挙げながら、「苦労した経験のある彼らには利他の精神があり、社会にとって貴重な人材でもある。周りに言われたからでなく、施設を巣立つ際の就職先を本人の意志で“自己決定”できるように応援したい」と語りました。
会場には企業だけでなく施設の関係者等も訪れ、講演後にはそれぞれの立場で意見を交わしました。
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