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【熊本豪雨】避難所の現場から 1|賛育会[1]

熊本YMCAは、7月豪雨で甚大な被害に見舞われた球磨村の村外避難所である旧多良木高校で、144人(9月25日時点)の避難者の生活をサポートしています。また、事前にPCR検査を行うなど新型コロナウイルス感染対策を十分に講じたうえで、全国のYMCAや協力団体からも支援スタッフが入り、運営にあたっています。

社会福祉法人賛育会は、その協力団体の一つ。長野市豊野町にある賛育会の豊野事業所は、昨年10月の台風19号による千曲川の氾濫で、1階が水没する被害を受けました。(写真2:提供/賛育会)
老人保健施設などに約280人が暮らしていましたが、垂直避難で全員が無事でした。今年8月にようやく1階での営業を再開。長野で水害を経験し、熊本の避難所で被災者を見守るソーシャルワーカーのお二人に、お話をうかがいました。

 

鈴木 伸良さん
社会福祉法人賛育会
特別養護老人ホーム 豊野清風園 介護職員

「恩返しのつもりで、熊本へ来ました」。避難者が身を寄せる体育館から荷物を運び出していた鈴木伸良さんは、昨年の台風19号を振り返りつつそう話します。

「私たち介護職員は日頃、求めに応じてサービスを提供する立場です。一方、避難所では、需要と供給が一致しないことがあります。様子に気を配りながらも、支援によって自立を妨げることがあってはいけません。いわゆるアセスメントが大切です。その人にとって、何が必要で、自分に何が手伝えるのか。そのために、しっかりと住民の皆さんの話をお聞きします」。

提供された杖が合わずに困っているという高齢者がいました。すぐに、鈴木さんは賛育会に連絡をとり、希望に沿う杖を取り寄せることに。「法人のバックアップがあってこそ、被災された方々に寄り添うことができていると感じています」。

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賛育会は、102年前の1918年に東大YMCAの有志が貧民街で母と子のための無料診療を行ったことから始まった。キリスト教の隣人愛の精神にもとづき「賛育会」が創立され、東京都墨田区で日本初の庶民の産院を開設。
2006年の熊本地震では、熊本YMCAが運営する益城町総合運動公園避難所に、4月から7月まで延べ196日にわたり、延べ35名の職員を派遣し、支援活動に尽力した。

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