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【Yストーリー9】避難所を支える助けあう力、重ねあう想い

特定非営利活動法人CWS Japanの協力により熊本YMCAが行う支援活動の取材が行われました。内容をご紹介します。

2016年5月8日

 地震の後、活動を控えていた熊本県のPRキャラクター「くまモン」が活動を再開。熊本YMCA黒川保育園(阿蘇市)や益城町総合体育館を訪れ、被災した人々に笑顔を運んでくれた。一方、避難所となっている熊本市中央区の小学校で、避難者23人が嘔吐や腹痛などの症状を発症したというニュースが流れた。集団食中毒の疑いがあるという。復興への歩みを始める中、余震に身構える毎日は変わらない。

掲示

 益城町総合体育館。「○○県の医師会です」「物資はどこに運んだらいいですか」「ボランティアで何かできることはありますか」「取材で来たんですが」――。わずか数時間の滞在で、現場のスタッフではない私自身がこのような問合せを何件も受けた。避難所にいるのは、避難されている方々だけではない。支援する側も実に多様。事務所を訪ねてみても、益城町の職員、他自治体からの応援者、益城町総合運動公園のスタッフ、全国YMCAからの応援スタッフ、ボランティア…、誰が誰だかすぐにはわからないような状況だ。

 命を守る、緊急的な段階は脱したものの、依然不自由な生活は続いている。昼食として配給されたのは菓子パンだった。仮に空腹が満たされたとしても、健康状態や栄養のバランスについては、やはり不安が感じられた。これから避難生活が長期化するにつれ、心身の疲労も重なり、生活の質の向上が大きな課題となってくると思われる。ボランティアによるマッサージに、「本当にありがたいですね。皆さんのおかげです」という声が聞かれた。

掲示

 慌ただしく駆け巡るスタッフに声をかけ、様子を尋ねた。横浜YMCAが運営する福祉施設で所長を務める松尾さん(写真:右)は、「助けあいが十分でないと、避難所での安定した環境づくりはできない。住民同士はもちろん、団体間の協力を含め、地域ぐるみの取り組みが必要だ。それぞれが持つ力をうまく組み合わせていくことが、さらに重要になっていくと思う」。行政、日赤、医師会、自衛隊、NGO、様々な団体がそれぞれに活動する中で、ポイントとなる調整機能の一端を担うYMCAの姿を見ることができた。

「人と人との関係性を大切にするYMCAの理念は、避難所であっても変わらない。あえてボランティアなどをお願いをするのは、役割があることが自らの活力にもつながるから」。益城町総合体育館の大久保所長はこう語る。「表現が適切ではないかもしれないが、この避難所でよかった、いつかここを出られる時に、そんなふうに思ってもらえたら」。いろんな人たちの思いが重なり合い、避難所を支えている。

写真及び報告作成:因幡亮治 熊本YMCA

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>>YMCAの活動について熊本YMCA緊急災害支援Facebookページをご覧ください


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