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【Yストーリー1】寄り添う事が、復興への強い力に

特定非営利活動法人CWS Japanの小美野剛さんにより熊本YMCAが行う支援活動の取材が行われました。内容をご紹介します。

2016年4月23日

スタッフと避難者 余震は800を超え、被害状況調査が遅れ、被災者家族らの生活再建を遅らせています。これまでの被害状況調査によれば、被災した建物の半数は、今後使用が不可能であるとされています。この結果は、被災者の方々がこれからの生活を考える上で、さらに非常な困難が待っていることを意味しています。

 そのなかで垣間見える希望もあります。今日はそんなストーリーをお届けしたいと思います。

 避難所にいるナカジョウマドカさん(写真左)は、妊娠5カ月。3歳になる娘のユズキちゃん(写真中央)が一緒です。YMCA横浜の大塚さん(写真右)とお話しているところです。

 ナカジョウさん親子は避難所に来てもう9日目をむかえます。妊婦であるお母さんにとって避難所での生活は、様々な困難を乗り越えなければならない苦しいものでしたが、娘のユズキちゃんが家族を励まし続けてくれると,大塚さんに話してくれました。ユズキちゃんはいつもニコニコ笑顔で、駄々をこねたり、特に何かをおねだりする事も有りません。そして、家族の顔がほころぶような面白いことをして見せるといいます。

 それはユズキちゃんが、今回の地震にショックを受けていないということではありません。大きな余震に続いて、4月16日さらに本震が襲った時、彼女は「ぐちゃぐちゃ、いやぁ~!」と叫んで泣いたということです。ユズキちゃんが、夜もよく眠れない日が続いていると聞き、大塚さんは彼女に冗談半分、でも半分本気でこう言いました。「そんなにすぐに大人にならなくていいんだよ・・・。」

 ユズキちゃんはそう言った大塚さんの意図を理解したようです。私は、この話を聞いて、ユズキちゃん家族の強い愛情から生まれる信頼と、3歳のユズキちゃんが持っている強い責任感、復活力を感じました。

 「まだ、自分に起きたことが受け入れられないんです。」とナカジョウさんは言っています。突然、自宅や家財を一瞬にして失うことは、簡単に乗り越えられることではありません。大塚さんは、ナカジョウさんにこう答えていました。「そんなに早く全てを受け入れなくていいんですよ。時間をかけて受け入れればいい。」彼女は、うなずいてこう言いました。「ユズキがいるから、私たちは頑張れます」。

 益城町の1,200人を収容している避難所は、こんな被災者の方たちの思いやりと愛情と寄り添いの中で運営されています。この大塚さんのお話しは、復興が物質的な面だけではなくこのような精神的な要因が重要であることを思い出させてくれます。信頼という理と共に、地に足をつけた活動に意義を感じ、YMCAスタッフは、明日もまた人々に寄り添う一日を始めます。

写真及び英語報告作成:小美野剛 CWS JAPAN 事務局長
要約:CWS JAPAN事務局

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