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【Yストーリー2】 「被災された方々を中心に」各所のYMCAがまとまる理由

特定非営利活動法人CWS Japanの小美野剛さんにより熊本YMCAが行う支援活動の取材が行われました。内容をご紹介します。

2016年4月24日

被災した家屋 熊本震災の被災者の方たちにとって、政府による被災者支援制度や損害保険の請求には罹災証明書が必要ですので、まず罹災証明書を受け取らなくてはなりません。しかし、罹災証明書をもらうには、家屋の損害を判定される事が重要で、被災された方々自身で行うにしても、写真を撮ったり、申請書を書いたりと簡単ではありません。

 そのため、被災された方々は罹災証明書を取得してからでないと、自宅の再建や修繕、そのためのローンの計画が組めません。それらの目途がつくまでは避難所(あるいは別の場所)での生活を続けなくてはならず、自宅を再建できるのか、元の生活に戻れるのか、先行きが見えず常に不安とストレスを感じています。YMCAが支援活動を行う益城町の避難所には1,200名以上の方たちが避難されていますが、大勢の人たちが今後どうしたらいいか途方に暮れているように見えます。

 そんな中、大阪YMCAの箕浦史郎さん、(公益協働事業グループ長)、清家球平さん(六甲山YMCA事業長)が、熊本YMCAの皆さんと支援活動を行っています。なかなか普段仕事で接する事のない県境をまたいだ全国YMCAチームがどのように一つのチームとしてまとまるのか。その答えは彼らの気持ちや支援に取り組む姿勢にあるようです。

被災者と話をするスタッフ まず、一つ顕著な点は、常にひざまずいて被災された方々とお話しをされてる事。上から目線ではなく、対等な目線で話しを聞く彼らの姿勢は、途方に暮れる被災された方々の心を開き、今本当に心配している事などを率直に話してくれます。高齢の方たちは、しばしば介助者への負担を増やさないよう気遣い、「私は大丈夫」と言いがちですので、こういった丁寧にお話を聞く姿勢に安心して話す事が出来るのでしょう。それがないと、身体の不安や心配事があっても、他人に話さず、孤立してしまう危険性が高いのです。

 被災された方々と向き合い丁寧にお話しを伺うことで、逼迫したニーズも理解できるのだと現場で見せていただきました。「誰がどういった特別なケアを必要としているのか」、「どういったリスクを抱えているのか」、を会話の中で知り、それらの情報をまとめ専門家のケアとも繋げる事で、誰一人取り残される事の無い環境が生まれます。

 一人のおじいちゃんは、「ここはみんな気にしてくれていいなぁ!」とおっしゃっていました。

被災者と話をするスタッフ 私は、この男性の言葉は、言葉よりも多くのものを含んでいると感じます。男性はこの対話によって、不安な将来を抱えつつも、何かに頼り、安心を得ることができたのではではないかと思うのです。YMCAが大事にする価値観やルールから生まれた対応が、現場でのチームの価値を作っているのだと思います。

 被災された方々を中心に置いて考える、という価値観が、チームをまとめる価値観となっているのだと痛感しました。そういった価値観は、丁寧な会話を生み出し、そういった会話からニーズを明らかにし、素早い課題の解決や支援につながっているのだと思います。

 今後も、皆様に活動についてご報告していきます。よろしくお願い申し上げます。

写真及び英語報告作成:小美野剛 CWS JAPAN 事務局長
要約:CWS JAPAN事務局

熊本地震募金
>>YMCAの活動について熊本YMCA緊急災害支援Facebookページをご覧ください


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