「歳をとって介護が必要になったらグループホームに入りたい」
こんな話を聞くことがあります。グループのホームだから少人数であっとホームなイメージをするのかもしれません。でも実はグループホームというのは認知症と診断された人しか利用することができないとご存じでしょうか。
認知症という病気はここ数年でずいぶん知られるようになりましたが、まだまだ正しく理解されてはいません。誤解も生じていますし偏見もあるようです。
主な症状として記憶障害があります。それも特に直近の体験を忘れます。しかし、体験したことは忘れてもその時に感じた感情は深く強く残っています。
ちょっと勘違いしたり間違えたりしたときに、そのことは忘れてしまっても、言われた嫌なことや不愉快さはしっかり覚えています。
私たちも初めて訪れた場所で自分の目的地が分からなかったり、迷うことってありますよね。会場案内や地図を頼りにその場所へたどりつき、徐々に慣れてしまえば迷わず到着することができるようになります。
認知症の人は、場所に慣れるのに時間がかかり、そうなるまで大変不安な気持ちを持ちます。
慣れない場所で、不安のあまりうろうろしたりしようものなら徘徊と言われ、帰りたいと言えば帰宅欲求が強いと思われる。でもそれって実は当たりまえのことではないでしょうか。
グループホームは今まで生活してきた家庭環境を大事している場所です。認知症の人が抱いている感情に着目し、その感情に寄り添い、その人らしい生活を支えていくことを目的とした場所です。
ここもまた介護福祉士の活躍する場所の一つです。