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【Yストーリー11】復興への祈り~苦しい時こそ、力を合わせて~

2016年5月17日

 熊本地震から一ヵ月が経過した。前震発生後に熊本に入り本震を経験した新聞記者は、再び益城町を訪れたうえで一ヵ月前を振り返り、「様子はあまり変わっていない」と語る。改めて地震の爪痕の深さを痛感させられた。

「前震」から一ヵ月の5月14日、熊本YMCAが運営する御船町スポーツセンターで開かれた『一ヵ月経過のつどい』。避難所である施設の玄関前には、たくさんの照明と各地から届いた応援メッセージが並ぶ。スライドで発災からこれまでの歩みを振り返った後、参加した人たちは地震が発生した午後9時26分に黙祷を捧げた。

メッセージ

 この催しの数日前、御船町スポーツセンターの寺岡所長補佐はキャンドル型のライトを手にし、「これを会場に並べようかなと思ってるんだよ」と教えてくれた。同スポーツセンターでは、一週間前の8日にも母の日のイベントを企画。男性陣から母や妻に向けて、一輪の花とともに感謝の言葉が贈られたそうだ。この花も、地域で栽培する方から無償で提供されたものだという。

 震災を機に生まれたつながりもある。2011年、寺岡さんは東日本大震災の後に宮城県や岩手県など被災地を訪れ、支援活動を行った。今回集まった寄せ書きの中には、その時の縁で届けられたものも。岩手県釜石市でまちづくりを推進する『釜援隊』のボードには「釜石の皆さんも力を合わせ、この5年頑張られてきました。多くの人が皆さんに心を寄せていることを思い出してください」と書かれていた。

 寺岡さんはまた、復興に向けたメッセージを発してほしいと、同センターで避難生活を続ける森永和典さん(写真:左)に頼んでいた。高齢者支援事業を展開するNPOで代表を務める森永さん。今回の地震で自宅も事務所も被災したが、NPOが行っていた出張カットサービスを各地の避難所を回ってボランティアで行うことにした。「日に日に疲弊していく高齢者を見て、心が痛かった」と話す。森永さんはこの避難所を拠点に、美容師である妻と活動を続けている。「地震をきっかけに知り合いも増えました。これまでYMCAのこともよく知りませんでしたが、運営されるスタッフは皆さん穏やかな方たちばかりで」。

つどい

 つどいの終わりに、森永さんは力強くこう呼びかけた。「苦しい時こそ、力を合わせて復興していきましょう」。町の復興は住民自らの手によって進められていくものだと思う。ただし、それは寄り添い続ける人が周りにいることが前提だ。「ここ(避難所)を出られる時には、写真を撮ってあげてお渡ししようかと思ってね」と寺岡さん。あの時はこうだったと、心穏やかに振り返ることができる日はいつになるだろう。その日まで、そしてその先も、関心のともしびは絶やさずにいたい。

写真及び報告作成:因幡亮治 熊本YMCA

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