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【Yストーリー7】大変なことを乗り越え、喜びに変える

特定非営利活動法人CWS Japanの協力により熊本YMCAが行う支援活動の取材が行われました。内容をご紹介します。

2016年5月3日

 益城町総合体育館で避難生活を送る人の数が1500名を超えた。いたるところに設置されている仮設トイレの数が水道や下水が復旧していないことを物語っていた。車中泊に心身の限界を感じ、施設内での生活に切り替える方も多く、発災当初から避難者の数は減ることはない。

 インフラが整っていない環境だが、避難している方の困りごとが解決するよういたるところに工夫がなされている。カフェスペース、健康相談所、プレイルーム、授乳室、ペットのためのテントなど、どこに行けば何があるか分かりやすい。子どもたちが書いたポスターも、見るだけで心がなごむ。

掲示

「最初の地震のときは総合体育館で働いている最中だった。本震では、風呂場の窓から家の外に出て、同じアパートの人たちを避難させた後、体育館へと戻った。」

 副所長の丸目陽子さんは、発災直後から避難所の運営に携わっている。15名ほどの運営スタッフは自らも被災した中、避難所のことを最優先し、日々変化する様々なニーズに対応するため奮闘している。睡眠時間を削り、肉体的にも精神的にも大変な仕事をしているが、丸目さんをはじめスタッフやボランティアは皆笑顔で明るい。

副所長「避難所の名前を、今後◯◯タウンみたいに名前を変えてみようかと考えているんですよ。呼ぶときは、◯◯区何丁目の◯◯さんとか。」と丸目さんが微笑む。困難な環境の中で、いかに工夫するか。スタッフの明るさや笑顔は決して無理をしているのではなく、前向きだからだ。「困難を乗り越えて、喜びにしたい。」先の見えない不安な生活の中だが、希望を忘れない。

 避難所にいる子どもたちは、ポスターを作ったり、お茶を配ったり、積極的に大人たちを手伝っている。物資を運ぶときも、自主的に参加して手伝いをしたそうだ。

「ウォーターくださ~い!2リットルのやつ!」小学生の男の子の声が物資置き場にこだまし、大人たちの笑顔がこぼれた。「はいは~い!ウォーターね!」大学生ボランティアが大きな声で応える。

「避難している子どもたちで、いつかYMCAのキャンプができたら。ボランティアしてくれている学生さんにリーダーになってもらってね。」子どもたちの笑顔や学生ボランティアの頼もしい姿を見て、丸目さんが語る夢は、遠くない将来実現するだろうという気がした。

報告作成:矢野瑛子
写真:因幡亮治 熊本YMCA

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