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【Yストーリー4】「必要としている人がいるから」被災され余震が続くなかも仕事を再開

特定非営利活動法人CWS Japanの小美野剛さんにより熊本YMCAが行う支援活動の取材が行われました。内容をご紹介します。

2016年4月26日

 熊本地震による行方不明者一人が見つかり、地震による犠牲者は49人となりました。また、13人の方々がエコノミー症候群など、震災関連死で命を落とされました。最大の揺れから十日を過ぎた週初め、人々の動きは様々だったそうです。ある人は家の片づけを、ある人は仕事を再開し、また避難所から出られない方も多く居られます。仕事を再開される方も、「他者のために」と思われている方が多いようです。

 リカさんは妊娠中のお母さんで、モンド君というお子様がいらっしゃいます。モンドという名前はイタリア語・フランス語で「世界」を意味するそうで、今の日本では珍しい名前ですね。このご家族は10日程車中泊をしていたそうです。

親子

 車中泊はやはり厳しく、家の片づけや掃除がある程度終わったあとはお家に戻ろうとされたそうですが、モンド君はなかなか賛成しなかったそうです。ちなみにモンド君は車を「地震のお家」と名付けていたそうです。最終的にお家に戻る事を承諾したようですが、ベッドルームで一人で寝るのは怖いようで、お母さんがリビングに居ると一緒に居たいと出てくるようです。愛する家族と一緒に居るのが何よりの心の支えなんですね。

 とは言え、幼稚園や保育園に通えるのは、子ども達にとってこの上ない息抜きとなっているようです。 ここでは安心して遊べるし、慣れ親しんだ先生たちがそばに居てくれます。親御さん達にとってみても、子ども達を預かってくれる場所があると、家の掃除が出来たり、罹災証明を取ってきたりと、色々活動出来るので大変助かっているという声を多く聞きました。

 一点疑問に思った点は、子どもたちや親御さんが助かっているのは明白ですが、先生たちはどこから来ているの?という事でした。先生たちは被災されてないのでしょうか。その質問をしてみると、「私たちもここの人間でみんな避難所や車から出勤してくるのよ」と教えてくれました。自分たちも大変なのに、なぜそこまで出来るのかと尋ねると、「だって必要としている人がいるから」と答えてくれました。

保育の様子 上村さん(写真右)は、子どものお迎えに来られたお母さんに、子どもさんが今日はどういう様子だったか、何が出来たか、一日の出来事を報告されていました。お母さんは「いやいや期に入ってるのですが、どうしたらいいですか」という質問もされていました。きっと親だったら誰もが悩む部分です。こういった若い親御さんにとって上村さんのよう存在はとても心強く、安心できるそうです。

 このご家族が帰られたあと、上村さんご自身の生活について質問してみました。「ここで働けるように、私の子ども達は妹に預けてきました」と教えてくれました。でも最初は学校が再開したら子どもを呼び戻す計画を立てていたといいます。「1週間くらいかな」と思っていたそうですが、もう10日を超えています。学校再開の目途もまだ立っていません。いつ自分の子ども達と一緒に生活できるのか、そんな事を考えながら仕事をされているそうです。

 小さな子どもには毎日成長の変化があり、そんな時に離れて住むのは辛いものですよね?そう尋ねると「YMCAの職員だったら当たり前かも」と上村さんは仰いました。「必要としている人がいるから」と言った幼稚園の先生と通ずるものがあるようです。

写真及び英語報告作成:小美野剛 CWS JAPAN 事務局長
要約:CWS JAPAN事務局

熊本地震募金
>>YMCAの活動について熊本YMCA緊急災害支援Facebookページをご覧ください


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